歯の価値とは

歯に対する価値観は人それぞれですが、歯を失った後に初めて「歯の大切さ」に気づく方が多いことは事実です。アメリカでは歯1本が500万円で、健康な歯28本全部で1億4000万円の価値があるとされ、これに比べて日本では歯1本が35万円、28本全部で973万円ほどだという統計があります。これらを比較すると、日本人の歯に対する価値観の低さを感じざるを得ません。

例えば高級な車や時計を手に入れた場合、丁寧にメンテナンスして大切にする人が多いでしょう。それに対して、歯のケアが疎かにされがちであることは残念なことです。歯は失ったらいくらお金を払っても元通りにはならないのです。

歯のことで後悔する人が多い?

歯のことで後悔する人は多いようです。PRESIDENT(プレジデント) 2012年11月12日号に「リタイア前にやるべきだった… 後悔トップ20」が掲載されました。55~74歳の男女1060人に対し、人生の振り返りの調査を実施した結果「健康に関する後悔の1位」は「歯の定期検診を受ければよかった」という結果になったのです。

国別残存歯数比較

日本と欧米とでは歯科医療に対する予防の考え方に大きな違いがあります。欧米の歯科医療先進国では、「痛くならないように予防を重視し、定期的に歯科医院を受診する」というアプローチが一般的です。一方で、日本では一般的には「痛くなった時に歯科医院に行く」という傾向が見られます。

この違いは、高齢になった際の残存指数にも明確に表れているとされています。予防が重視される欧米では、歯の健康が維持され、高齢になっても自然な歯を残すことが期待される一方で、日本では症状が出てからの治療が主体となることが、歯の寿命に影響を与える可能性があります。

メインテナンス受診率の違い

日本とスウェーデンとでは歯科における定期メインテナンス受診率に違いが見られます。以下は一般的な傾向であり、例外も存在します。

日本

日本では、歯科においては痛みや問題が発生した際に受診する傾向が強いです。
定期的な歯科検診やクリーニングが一般的でなく、予防の観点から歯科医院を訪れる文化がまだ十分に浸透していません。
歯科治療に対する認識が「痛みがなければ健康」という考え方に影響されているとされます。

スウェーデン

スウェーデンでは、歯科において予防が非常に重要視されており、歯科医院を定期的に受診する文化が一般的です。
定期的なメインテナンス受診が奨励され、歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングや歯の健康状態のチェックが行われます。
予防医療が広く普及していることから、歯科治療の際には問題が進行する前に発見され、早期に対処されることが期待されます。

このような文化の違いが、日本とスウェーデンにおける歯科の定期メインテナンス受診率の差に影響している可能性があります。